お片付けラボコラム
ゴミ屋敷に対して行われる「行政代執行」とは?
2022年01月10日
ゴミ屋敷問題は少子高齢化が進む現代社会において、社会問題として近年注目されており、ニュースなどにも取り上げられるほどです。
中にはゴミが背丈以上に積み上がってしまい、崩壊すると近隣の住宅にも影響してしまうほどになってしまう場合も。もし近隣にゴミ屋敷があった場合はどうすれば良いでしょうか?
もはや個人の問題では済まされないゴミ屋敷は、近年自治体でも対策を検討されており、「行政代執行」という形で介入する自治体もあります。
ゴミ屋敷における「行政代執行」とは何か、今回紹介していきます。
目次
ゴミ屋敷における行政代執行とは何か
前述の通り、ゴミ屋敷を放置することは近隣の住民・住宅に悪影響を及ぼす可能性があります。住宅の崩壊・家事といった人命に関わる事故が発生する可能性もあります。
多くの場合、ゴミ屋敷があまりにひどい場合、近隣の住民から各自治体に情報や相談が入り、ゴミ屋敷解決に向けて自治体が動くことになります。
その対応の中でも、最終手段として知られているのが「行政代執行」であり、自治体により強制的にゴミの撤去を行い、撤去にかかった費用も家主に請求されます。
とはいえ、すぐに「行政代執行」が入るわけではありません。後述するいくつかの手順を踏んだ上で、それでもゴミ屋敷が解消されなかった場合「行政代執行」となります。
ゴミ屋敷に対する自治体の対応
近隣住民から情報・相談があった時点で、自治体がゴミ屋敷解消に向けて動き出します。
- ゴミ屋敷の住人への指導
- ゴミの処分を文書で戒告
- 行政代執行によるゴミの撤去
- ゴミ撤去費用を住人から徴収
基本的に行うことはゴミ屋敷の住民への指導です。
1.ゴミ屋敷の住人への指導
まずはゴミ屋敷の実態を地域住民から聞き取りします。その後、現地に行ってゴミのたまり具合や建物の状態、建物の所有権やゴミ屋敷の住人の人間関係、および親族などを徹底的に調べます。調べ上げた情報を総合的に判断し、ゴミ屋敷の住人への指導が行われます。
調査した背景と本人からの聞き取りをもとに、対処の方針を決めたうえで改善へ向けた支援が行われます。この段階でゴミ屋敷の状態が解消されるのが一番望ましいパターンですが、改善されない場合は次のステップに移ります。
2.ゴミの処分を文書で戒告
様々なサポートをしたにもかかわらず、状況が改善しなかったり支援を拒絶したりする場合は、ゴミ屋敷の住人への文書での戒告が行われます。この段階では指導に従うことを促す文書での警告となりますので、強制的に何かをすることはありません。あくまでも自分の努力によるゴミの処分や生活の改善を求めるスタンスです。
ただし戒告も無視し続けた場合は、行政が強制的にゴミを撤去する行政代執行に移ることになります。
3.行政代執行によるゴミの撤去
なんども指導や戒告を行っても従わずゴミ屋敷を放置した場合は、行政代執行が行われます。行政機関が個人に対して強制的に行う措置ですので、厳しい審査に基づいて執行の可否が判断されます。執行前に令状が作成されゴミ屋敷の住人に提示されますが、よほどの理由がない限り太刀打ちすることはできません。
近隣住民の公益性の確保を最優先するために、行政代執行の手続きには裁判所に申し立てるプロセスは不要とされています。仮にゴミ屋敷の住人が執行を止めようとしても、裁判所に不服を申し立てなければいけないので簡単にくつがえることはありません。
4.ゴミ撤去費用を住人から徴収
ゴミ屋敷のゴミを撤去する費用は一次的に税金が使われます。ただし、一個人の迷惑行為に対する執行なので最終的にはゴミ屋敷の住人に支払い義務が発生します。もし請求を無視して滞納したとしても、税金と同じ基準で差し押さえなどの処分が行われます。
しかし、こういった流れがあっても実際に「行政代執行」が執り行われることは多くありません。それはゴミ屋敷のゴミ撤去には莫大な費用がかかり、もし回収できなった場合の損失が大きくなる為と、いくらゴミでも所有権を主張された場合片付けが困難であるからです。
もし裁判になっても確実に勝てる状況にならない限り「行政代執行」が行われません。そこは安心しても良いでしょう。
まとめ
行政が対応する場合でも、法律に触れたり訴訟問題になったりしないように慎重に事が運ばれます。早く何とかして欲しいと焦る気持ちはわかりますが、相手があることなので権利を侵害しないよう気を付けなければいけません。
即日対応・後払い/分割支払いでの不用品回収・ゴミ屋敷清掃なら「お片付けラボ」