お片付けラボコラム
ゴミ屋敷片付けのコツをプロが解説|自力で行う手順と気を付けたいこと
2025年04月30日

「ゴミ屋敷をできるだけ速く、少ない労力で片付けるコツを知りたい。」
「片付けようと思っても、途中で心が折れそうで不安。」
そんな悩みを抱えていませんか?
何も計画せず片付けを始めると、準備物の不足、ゴミ分別の不備、うまくいかないことによるストレスなどにより、片付けがスムーズに進まなくなります。
事前に正しい順番とコツを押さえて計画的に片付ければ、体力的・精神的な負担も少なくすみ、片付けが成功しやすくなるでしょう。
そこで本記事では、ゴミ屋敷の片付けのプロの視点から、効率的な手順とコツ、注意点をわかりやすく解説していきます。
最後まで読むことで、ゴミ屋敷の片付けのコツがわかり、今日からでも片付けの成功に向けて一歩を踏み出せるでしょう。
目次
ゴミ屋敷の片付けを成功させるための考え方
ゴミ屋敷の片付けでは、途中で挫折したり、思うよう進まず不安やネガティブな気持ちになったりすることがあります。
しかし、このような気持ちに負けずに片付けを進めるためには、取り組み方や心の持ちようが重要です。
ここでは、片付けを成功させるために大切な3つの考え方をご紹介します。
小さな成功体験を積み重ねることが大切
ゴミ屋敷の片付けを進めるときは、まず「小さな目標」を設定することが重要です。
目標を「ゴミ屋敷を全部片付ける」とすると、達成感を感じるのは片付けが全て完了したときのみ。これでは「まだ終わっていない」「今日も終わらなかった」と落ち込んだり、焦ったりする原因になります。
そこで、ゴミ屋敷の片付けでは「玄関のゴミを整理する」「リビングの机の上を綺麗にする」など、小さな目標をいくつも設定しましょう。
小さな目標をクリアするたびに「できた!」というポジティブな成功体験が積み重なり、次の作業へのモチベーションが高まります。
ゴミ屋敷の片付けは「大きな1つの作業」ではなく、「小さな作業の連続」と捉え、少しずつ進めていくことが成功への近道です。
完璧を目指さなくて良い
片付けの最大の目的は「ゴミが一切ないピカピカの部屋にすること」ではなく、「今よりも生活しやすい空間にすること」です。
完璧を目指してしまうと、「完璧な部屋」に到達するまで自分を否定しがちになります。
ゴミが落ちていない床が1㎡増えるだけでも、歩きやすく、ストレスの少ない部屋へと近づき、着実に前進していることになります。
そのため、完璧を求めず、進捗を前向きに捉え、少しずつでもやったことを肯定していきましょう。片付けは少しずつの改善が大切であり、その積み重ねが最終的な成果に繋がります。
困ったら助けを求めてOK
ゴミ屋敷を「一人で片付ける」ことは、誰にとっても非常に大変な作業です。体力的にも精神的にも、辛く感じてしまうことは誰にでもあります。
そのため、片付けの手が止まったり、気持ちが辛くなったりした時は、無理せず助けを求めることが大切です。
声をかけられる家族や友人が近くにいなくても、自治体の相談窓口やゴミ屋敷片付け業者など、頼れる相談先は他にもあります。
助けを求めることは決して甘えではなく、ゴミ屋敷の片付けを前に進めるための重要な手段です。
ゴミ屋敷を自力で片付ける手順とコツ
ゴミ屋敷の片付けを7つのステップに分け、各ステップでのコツを解説していきます。
1.ゴミ回収のルールを確認する
片付けを始める前に、自治体のゴミ出しルールを必ず確認しましょう。
ルールを知らずに仕分けを進めると、出し直しや収集拒否などのトラブルになる恐れがあります。
確認しておきたいポイントは以下の通りです。
・ゴミの分別方法
・回収日と回収されるゴミの種類
・粗大ゴミの出し方と予約方法
・クリーンセンター(ゴミ焼却施設)への持ち込み方法と受付条件
大量のゴミが出る場合は、地域の収集所だけでなくクリーンセンターの利用も検討しましょう。
また、粗大ゴミは回収できる数が制限されていることもあるため、事前の予約とルール確認が必要です。
調べた内容は、スマートフォンや紙にメモし、いつでも見られるようにしておくと片付けの計画が立てやすくなります。
2.片付け→回収→掃除の計画を立てる
ゴミ屋敷の片付けは「片付け」「回収」「掃除」の3ステップで計画を立てるのがコツです。
片付けでは、玄関やキッチンなど、片付けで使う場所から手をつけることで、スムーズに進められます。
作業範囲を絞り、1日単位で無理のない目標を立てましょう。
次に回収では、分別ルールや回収日を事前に確認しておくことが重要です。
大量のゴミはクリーンセンターへの持ち込みも検討しましょう。
掃除は片付けのあとにまとめて行うのが効率的です。
汚れがひどい場合は、無理せず専門業者の利用も視野に入れるとよいでしょう。
以下の記事では、スケジュールの立て方について詳しく解説していますので、参考にしてください。
▶︎片付けにスケジュール管理が重要な3つの理由!スケジュール表の作成方法を紹介
3.必要なものをそろえる・片付けの準備
作業のスムーズな進行と安全性や衛生面の確保のため、必要なものは事前に準備しておきましょう。
以下の一覧を参考にしてください。
必要なもの | 説明 |
ゴミ袋 | 量は45L以上、枚数は100枚以上。90Lだと効率よく進められる。 |
段ボール | ゴミの仕分けに使う。大きすぎると邪魔になるため3辺の合計が100〜120cm程度推奨。 |
新聞紙・ガムテープ・紐 | 尖ったものやガラスをまとめるために使用。 |
手袋 | 厚手の革手袋がおすすめ。割れ物を扱う時に使用。 |
軍手・エプロン・汚れてもよい服 | 作業時の汚れ対策。 |
マスク | ほこり・におい対策。 |
土のう袋 | ガラスや陶器などの割れ物を仕分けるときに使う。 |
バケツ・雑巾・洗剤 | 洗い流しや拭き上げ用。 |
殺虫剤・くん煙式殺虫剤(バルサンなど) | 害虫駆除用。 |
4.害虫駆除を行う
片付け作業を安全かつ快適に進めるためには、事前の害虫駆除が大切です。
作業中に虫が出ると、ストレスや健康被害につながるおそれがあります。
まずは、くん煙式殺虫剤(バルサンやアースレッドなど)で室内全体を一斉に駆除しましょう。
コツは、戸棚や押入れなど害虫が潜んでいそうな場所を事前に開けておくことです。
煙が行き渡りやすくなり、駆除効果が高まります。
また、作業中に虫が出る可能性もあるため、携帯用の殺虫スプレーを手元に用意しておくと安心です。
くん煙剤は1個500〜800円程度で市販されています。
準備をしっかり整えて、落ち着いて作業に取りかかりましょう。
5.作業エリアを決め、ゴミを3つに分類する
片付けは「エリアを絞り、ゴミを3つに分ける」のがコツです。
まずは、玄関付近などの出入り口から順に、部屋ごとにエリアを区切って作業を進めましょう。
搬出経路を確保することで、片付けがスムーズになります。
次に、ゴミは「捨てる」「残す」「保留」の3つに分類します。
「1年以上使っていない物は捨てる」「思い出の品や高価な物は保留にする」など、判断基準をあらかじめ決めておくことがポイントです。
広い部屋の片付けは、作業を細かいエリアごとに分けることがおすすめです。
例えば「テーブルの上」「ドア付近」など、小さな区切りで進めると、進捗を実感しやすく、達成感を得やすくなります。
最初は目に見えるゴミから片付けてOK。
細かい分別は後回しでも問題ありません。
また、数日〜数週間かかる場合は、片付けの進行にあわせてクリーンセンターや粗大ゴミ回収の予約も早めに行いましょう。
6.ゴミを出す・回収を手配する
片付けや仕分けが終わったら、自治体のルールに従ってゴミを適切に処分する必要があります。
ゴミの処分方法にはいくつか選択肢があるため、自分の状況に合った方法を選びましょう。
もっとも基本的なのは、自治体の定期回収日に合わせて家庭ゴミを自宅前、または収集場所に出す方法です。
ただし、この方法ではゴミ袋の数や種類に制限があることが多く、大量のゴミがある場合は対応しきれないこともあります。
粗大ゴミについては、事前に自治体へ申し込みを行い、指定の処理券を貼って自宅前に出しておけば、戸別収集で回収してもらえます。
一方で、急ぎで大量のゴミを処分したい場合は、自治体のクリーンセンターに自分で持ち込む方法もあります。
民間のゴミ回収業者に依頼するという選択肢もあります。
希望の日時にまとめて回収してもらえるため便利ですが、安心して任せられる業者を選ぶことが重要です。
依頼前には「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っているか、またはその許可を持つ業者と提携しているかを必ず確認しましょう。
なお、冷蔵庫や電子レンジ、ヒーターなど、まだ使える電化製品がある場合は、処分ではなくリサイクルを検討するのも良い方法です。
古物商許可を持つリサイクル業者であれば、買取や無料引き取りに対応してくれる場合もあり、処分費用を抑えられます。
7.部屋を清掃する
ゴミを片付けたあとの部屋には汚れやほこり、生ゴミからの浸出液、匂いなどが残っているため、清掃が必須です。
押さえておくべきコツは以下のとおりです。
・ホコリの除去→水や洗剤を使った掃除の順で行う
・汚れの種類によって、道具や洗剤を使い分ける
・手に負えない場合はハウスクリーニングを検討する
まずは掃除機やほうきで、ほこりや乾いた汚れを除去したあと、水や洗剤を使った清掃を行いましょう。
汚れの性質によって効果的な洗剤は異なるため、以下を参考にしてください。
汚れの種類 | 洗剤 |
床、壁の拭き掃除 | 中性洗剤(住居用洗剤) |
カビ | 塩素系漂白剤 |
壁紙の黒ずみや黄ばみ | 中性洗剤、重曹(軽いよごれの場合)
クエン酸(しつこい汚れの場合) メラニンスポンジ |
水回り(シンク・洗面所・トイレ)の汚れ | クエン酸(水垢・石鹸カスなど)
漂白剤(カビ・黒ずみなど) 重曹(油汚れ、ヌメリなど) |
排水口の異臭、詰まり | 塩素系漂白剤(排水口専用クリーナー)
重曹(アルカリ性洗剤) |
手に負えないほど汚れや臭いが解消しない場合は、ハウスクリーニングを業者に依頼することも選択肢に入れましょう。
ハウスクリーニングの対応範囲や業者選びについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
▶︎汚部屋のハウスクリーニングの対応範囲は?費用相場や業者選びのコツ
片付けが進まないときに意識すべきこと
「計画を立てたけど、思うように片付けが進まない」ということもよくあります。
「本当に終わるのか」と不安になったり、モチベーションが下がったりしたら、ネガティブな悪循環に陥りやすいため、意識的な工夫をしてみましょう。
スケジュール通りに進められないとき
片付けが計画通りに進まないと、自分の意志の弱さを責めてしまいがちです。
しかし、原因は「立てたスケジュール自体が現実的でなかった」ことにある場合も多く、見直しが必要です。
仕事や育児の合間に片付けを進めるには、細かく具体的な行動に分けるのが効果的です。
「1日で1部屋片付ける」ではなく、「今日は机の上だけ」「明日は引き出し1段だけ」といった小さな単位にすることで、達成感が得やすく、挫折しにくくなります。
完璧を目指すよりも、自分のペースに合った計画を立て直すことで、ストレスを減らしながら片付けを継続できます。
やる気が出ないとき
「やらなきゃ」と思っていても、体が動かないときは誰にでもあります。片付けはエネルギーを使う作業なので、やる気が出ないのは自然なことです。
そんなときは無理に気持ちを奮い立たせるより、気分が向きやすい工夫を取り入れてみましょう。
たとえば、好きな音楽を流したり、タイマーを10分にセットして「とりあえず少しだけ」と始めてみる方法がおすすめです。
「やり始めたら意外とできた」という経験を積むことで、やる気も少しずつついてきます。
また、「今日は何もしなくていい」と自分に許可を出す日があってもかまいません。
片付けは長期戦。やる気がない日は、無理せず心と体を休めることも大切です。
精神的にしんどいとき
片付けたいと思っていても、気持ちが落ち込んでいるときは、なかなか動けないものです。
そんな自分を責める必要はありません。
無理にがんばろうとせず、まずは心の休息を優先しましょう。
そして少しでも余裕ができたら、「今日は段ボールを1個まとめる」など、ごく簡単なことから始めてみてください。
それでも難しいと感じるときは、人の手を借りることも大切です。
家族や友人に声をかけたり、専門のサービスを利用したりと、自分ひとりで抱え込まずに誰かに相談してみましょう。
詳しくは「ゴミ屋敷で困った際の相談先」をご覧ください。
ゴミ屋敷を自力で片付けるときの注意点
ゴミ屋敷を自力で片付けるときの注意点は以下のとおりです。
1. 火災に注意
2. 転倒や健康被害に注意
3. 積雪時の作業は控える
それぞれ見ていきましょう。
火災に注意
ゴミ屋敷には可燃性のものが大量にあり、火が広がりやすい環境です。
片付け作業は火気厳禁で、具体的には以下の点に気をつけましょう。
・ライターやタバコを使用しない
・電気機器の使用は最低限とする(電源を切り、コンセントを抜いておく)
・電気機器・コンセントのほこりのたまりや水気を解消しておく
転倒や健康被害に注意
ゴミ屋敷は足元が不安定で、転倒やケガを引き起こす可能性が高いため、無理に立ち上がったり急いで移動したりしないようにしましょう。
滑りにくい靴や手袋、長袖・長ズボンを着用することも重要です。
さらに、ゴミの中にはカビや細菌、害虫が潜んでいることもあり、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こすリスクもあります。
また、マスクやゴーグルでカビやほこりから身体を守り、体調の異変を感じたらすぐに医療機関に相談しましょう。
積雪時の作業は控える
積雪時はゴミを外に運ぶ際に滑りやすかったり、湿気や凍結が加わることでゴミが取り扱いにくくなったりします。
積雪時は作業を控え、天候が回復し雪が溶けた後に作業を再開しましょう。
どうしても積雪時に作業が必要な場合は、ゴミ片付け業者への依頼をおすすめします。
業者への依頼を検討した方がよいケース
ここまでは主に「自力で」ゴミ屋敷を片付けるためのコツを手順ごとに解説しました。
ただし、以下のケースではそもそも業者に依頼した方がコストパフォーマンスが良かったり、精神的・体力的負担が軽減できたりすることが考えられます。
以下に当てはまる場合は、ゴミ片付け業者への依頼を検討した方がよいでしょう。
・3DK以上の広範囲
・ゴミが天井まで積み上がっている
・片付け作業の身動きがとれない
・水回りが使えない
3DK以上の広範囲であったり、ゴミが天井まで積み上がっていたりするゴミ屋敷の片付けを自力で行う場合、1ヶ月以上かかる可能性があります。
その長期間、片付け作業に追われるのは体力的にも精神的にも好ましくありません。
また、ゴミ屋敷の片付けには、手を洗ったり、拭き掃除や水流しを行ったりと、水回りが機能していることが必須です。
以下の記事では、業者へ依頼する基準をゴミ屋敷の「レベル」に分けて詳しく解説していますので、参考にしてください。
▶︎ゴミ屋敷の片付けはどこから?プロが教える自力の片付け法と業者に依頼する基準
ゴミ屋敷の片付けで困った時の相談先
ゴミ屋敷の片付けで困った時の相談先は、以下のとおりです。
・自治体
・ゴミ屋敷の片付け業者
・信頼できる家族や友人
・ゴミ屋敷の相談室
詳しく解説していきます。
自治体
自治体によっては、ゴミ屋敷の片付けに関する相談窓口が設けられています。
例えば東京都北区では、ゴミ屋敷の解消のために地域や関係機関と協力し、福祉的側面から「本人に寄り添った支援」が行われており、相談先も明記されています。
ゴミ屋敷の片付け業者
プロのゴミ屋敷の片付け業者は、迅速かつ効率的に片付けを進めることができます。
費用はかかりますが、本人の体力的・精神的な負担は大きく軽減されます。
ゴミ屋敷の片付け業者を選ぶ際の主なポイントは以下のとおりです。
・対応が丁寧か
・見積もりの内容が細かいか
・口コミや実績
・会社の住所が存在するか
(ゴミの収集も依頼したい場合)一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている業者か
以下の記事では、ゴミ屋敷片付け業者の選び方や、悪徳業者の見分け方について解説していますので、参考にしてください。
▶︎ゴミ屋敷業者を費用だけで選ぶのは絶対NG!選び方のポイントを徹底解説
信頼できる家族や友人
家族や友人は、最も身近で精神的な支えを提供してくれる存在です。
悩みを相談したり、片付けを手伝ってもらったりすることで、精神的・体力的な負担が大幅に削減できます。
ゴミ屋敷の相談室
ゴミ屋敷の相談室は、ゴミ屋敷の片付けに特化した専門の総合案内サイトで、無料相談から条件に合った業者を紹介しています。
相談はウェブフォームから簡単に行えます。
サービスを利用した場合、最大20,000円分の清掃支援金も支給されるため、経済的負担を軽減できます。
実績豊富で信頼できる業者が紹介されるため、悪徳業者に騙される心配もありません。
詳しくは、以下をご確認ください。
▶︎ゴミ屋敷の相談室
まとめ
ゴミ屋敷の片付けを効率よく安全に進めるためのコツや注意点、困った時の相談先を解説しました。
各作業のコツや挫折しそうなときの考え方を事前に把握しておくだけで、片付けを進めやすくなります。
また「自力で片付けよう」という意思は素晴らしいものですが、精神的・体力的にしんどい場合は助けを求めることも、大切な選択肢です。
お片付けラボは、24時間365日相談可能な片付け業者です。
豊富な経験とスピーディな対応に、確かな自信があります。
頭金0円の分割払いや後払いも可能。
自社ローンも完備で、安心安全な明朗会計です。
ゴミ屋敷の片付けにお困りの方は、お気軽にご相談ください。