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お片付けラボコラム

認知症の親の自宅がゴミ屋敷に…悪化を防ぐ方法と適切な片付け方

2023年09月20日

「親が認知症を発症したかも…実家がどんどんゴミ屋敷になっていく…」
「不用品を溜め込むので捨てようとしたら、感情的に暴れて手がつけられない」

 

日々汚くなっていく両親の家に向き合うことや、親が認知症になったという事実そのものを受け止めることが怖いと感じていませんか?
現実と向き合うことが辛い場合もありますが、その状態で高齢の親の家を放置していると、自宅がゴミ屋敷になり事故や病気のリスクも高まります。

 

この記事では、独居状態の高齢者がゴミ屋敷症候群を発症しやすい理由や、ゴミ屋敷の状態を悪化させない方法、認知症を発症した親の自宅の片付け方、福祉的な支援を得られる窓口の情報をまとめています。

目次

独居高齢者がゴミ屋敷症候群を発症しやすい理由

 

社会問題となっている「ゴミ屋敷問題」には、ゴミ屋敷症候群(ディオゲネス症候群)という行動障害が関係しています。
特に一人暮らしの高齢者はゴミ屋敷症候群を発症しやすく、自宅がゴミ屋敷になってしまう事例が多く報告されています。

なぜ独居中の老人がゴミ屋敷になりやすいのか理由を理解し、対策を考えましょう。

 

1.社会的孤立による脳の萎縮
2.孤独感による抑うつや無気力などの精神疾患

社会的孤立による脳の萎縮

独居高齢者がゴミ屋敷症候群を発症する理由の一つとして考えられるのは、他者との交流の少なさなどから脳が萎縮してしまうことで、認知力の低下が発生しやすいためです。
全国8地域での認知症研究により、社会的な孤立で脳の萎縮が進む可能性が示唆されています。

 

脳の萎縮は認知症に見られる症状の1つで、脳神経が減少して記憶が抜け落ちたり、ゴミを分別するという行動が正常にできなくなります。
結果的にゴミ捨ての日を忘れてしまう、ゴミを分別できなくなるなどの行動障害が発生し、自宅がゴミ屋敷になってしまうのです。

【参考】全国8地域からなる大規模認知症コホート研究で社会的… | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

孤独感による抑うつや無気力などの精神疾患

一人暮らしの高齢者は強い孤独感から精神疾患を発症しやすく、その結果、自宅をゴミ屋敷にしてしまう傾向があります。
1.高齢者の精神疾患といわゆる「ごみ屋敷」|日本老年医学会雑誌」によると、高齢者に発症しやすいゴミ屋敷症候群の原因の30〜50%は、精神疾患が背景にあるとされています。
認知症はもちろん統合失調症やうつ病、気分変調症などの精神疾患によって気力が落ちて、掃除やゴミ捨てをしなくなってしまえば、当然自宅にゴミが大量に蓄積されることになります。

 

また精神疾患の症状の1つが、認知の歪みです。
認知の歪みによりゴミと必要なものの判断がつかなくなり、明らかなゴミを宝物のように大切に溜め込むなどの行動障害が見られます。

 

以上のように独居高齢者は認知症発症リスクと同時に、ゴミ屋敷症候群を発症するリスクも非常に高いです。
家族が高齢者に寄り添い、なるべく社会的なつながりを持たせるようなサポートが必要となります。

ゴミ屋敷と関連が深い認知症の症状と具体例

 

冒頭でも述べたように、独居高齢者は社会的な孤独により脳が萎縮しやすく、認知症を発症するリスクが高いです。
認知症には「中核症状・周辺症状」という2種類の症状があります。

ここからは自宅のゴミ屋敷化の要因となる、認知症の症状を詳しく説明します。

 

1.中核症状:ゴミ出しの方法やルールがわからなくなる
2.周辺症状:ゴミを宝物と認識しており捨てると怒り出す

中核症状:ゴミ出しの方法やルールがわからなくなる

認知症の中核症状とは、脳の神経細胞の減少が原因で発生する認知症患者に共通して現れる症状のことです。
記憶が抜け落ちてしまったり、正常な判断ができなくなるなどの症状により、今までできていたことができなくなってしまいます。

 

認知症の中核症状では、具体的に以下の様な症状が発生します。

発生する障害 内容 具体例
記憶障害 記憶が抜け落ちる、物事が覚えられなくなる ・ゴミ出しの日を忘れる
判断力の障害 筋道を立てた判断ができなくなる ・ゴミなのか必要なものなのかがわからない
実行機能障害 何かを実行する際の手順がわからなくなる ゴミをまとめて、袋に詰めて捨てるという手順を忘れる
見当識障害 「いつ・どこで」がわからなくなる

日にちを忘れたり、迷子になったりする

・ゴミ出しの曜日が正しく認識できない

・ゴミ捨て場がわからなくなる

失行 日常的に行っていた連続した動作ができなくなる ・ゴミ箱のゴミをまとめる方法がわからなくなる
失調 持っているものを何に使うか忘れてしまう ・ゴミを捨てようと手に持ったものの、「捨てようと思った」ことを忘れてしまう

認知症が引き起こす障害により、徐々に「今までできていたこと」ができなくなります。
そのため、元々綺麗好きな人であっても認知症によって今まで通りの片付けやゴミ捨てができなくなり、自宅がゴミ屋敷になってしまいます。

周辺症状:ゴミを宝物と認識しており捨てると怒り出す

認知症の周辺症状とは、前述の認知症の中核症状が引き起こす二次的な症状を意味します。
中核症状によって「記憶が抜け落ちる」「今までできたことができなくなる」症状が原因での落ち込みや不安感、それに伴う周囲への暴言や暴力、依存などが該当します。

 

症状 内容 具体例
抑うつ 落ち込みが強く無気力になる 比較的状態が良い日でも、ゴミ捨てや片付けをする気力が湧かない
暴言や暴力 認知症の症状に本人が不安や恐怖を感じ、周囲に対して感情的になる ゴミを捨てようとすると暴れたり、暴言を吐いたりする
依存 何かに異様に執着する ゴミに執着し、溜め込んでしまう

 

認知症を発症しても、一気に全てのことがわからなくなるわけではありません。
認知症患者は、日々「前は掃除できたのにできなくなった」「だんだん記憶が薄れていく」という恐怖と戦っています。
その恐怖や不安から無気力状態になってしまったり、感情が昂り興奮状態になることがあります。

 

家族が家を掃除したり、不用品を捨てようとしたときに怒り出してしまうのは、そもそも認知症によって感情が不安定になっていることが原因です。
高齢者は「自分なりに片付けているのに、家族が大切なものを捨てようとする」と認識してしまい、暴言や暴力行為に及びます。

 

以上のように認知症の症状は、日常的な家事の1つであるゴミ捨てや掃除への認識も変えてしまうものです。
あなたの親が独居しており、掃除や家事が難しくなっている場合は、慎重に様子を観察しながらゴミ屋敷にならないように対処しなければなりません。

認知症の親のゴミ屋敷を放置するリスク

 

「実家の親の家が徐々にゴミ屋敷になっている」とお悩みなら、早急に対処が必要です。
少し家が汚いだけと放置している間に、取り返しのない事態が起きるかもしれません。

 

認知症の親のゴミ屋敷を放置するリスクを具体的に説明します。

 

リスク1.事故率や死亡率が上がる
リスク2.近隣とのトラブルになる
リスク3.施設への入所時に片付けが間に合わなくなる

リスク1.事故率や死亡率が上がる

ゴミ屋敷に住む認知症の高齢者の死亡率は、1年で2倍に増加するという研究結果があります。
(【参考】プレスリリース>いわゆるごみ屋敷症候群は、一人暮らしの高齢者が、認知症が進行し身体機能が衰えてきたときに適切な支援が得られないことと深く関連する:10年間の追跡調査にて判明

 

また、認知症の高齢者270名を調査対象として評価したところ、適切な支援が得られなかった高齢者は誰もがゴミ屋敷症候群になる可能性があるという結果も出ています。
さらにゴミ屋敷症候群と認知症を併発した高齢者は健康リスクも高くなり、1年以内の死亡率が高まることもわかりました。

 

ゴミ屋敷は不衛生な環境であるため、ホコリやカビによる健康被害も懸念されます。
また、積み上がったゴミの倒壊による事故、散乱したゴミにつまずいて骨折して自立困難になるなどのリスクも考えられます。

 

認知症の高齢者がゴミ屋敷に住み続けることで生命へのリスクも高まるため、家族による適切な支援が必須です。

リスク2.近隣とのトラブルになる

認知症を発症した高齢者が自宅をゴミ屋敷にしてしまった場合に懸念されるのが、近隣住民とのトラブルです。
ゴミ屋敷は住民の健康被害だけでなく、悪臭や害虫の発生により近隣に迷惑をかけるリスクも高いです。

 

周辺住民からゴミ屋敷について苦情を申し立てられ、認知症の高齢者が感情的になり近隣住民へ暴力を振るうなどの事件が起こるかもしれません。
近隣住民からの申し立てにより退去せざるを得ない状況に追い込まれれば、高齢者は住居を失います。

 

特に認知症患者は正常な判断ができなかったり、直接クレームを入れられるとパニックになる可能性が高いので、そのまま放置していると事件に発展する可能性もあるでしょう。

リスク3.施設への入所時に片付けが間に合わなくなる

高齢の親の認知症が進行した場合は、施設の入所を考えなければなりません。
ゴミ屋敷状態のまま自宅を放置していると、施設入所が決まった後に家を引き払えなくなる可能性があります。
賃貸物件の場合は残置物がある状態では、解約処理ができないためです。

 

また、持ち家の場合もゴミ屋敷の片付けが必要となりますが、その際に物量が多すぎると自分たちで片付けが難しくなります。
自分の親が施設へ入所することも考えたうえで、早めにゴミ屋敷への対策をしておきましょう。

認知症を発症した高齢者のゴミ屋敷を悪化させない方法

 

独居している親が認知症を発症した場合は、ゴミ屋敷の状態を悪化させないための対策が必要です。
症状が悪化するとさらにゴミ捨てや掃除ができなくなったり、不要なゴミを拾ってきて自宅に溜め込むなどの行動が現れる可能性があります。

実家が完璧なゴミ屋敷になってしまう前に、対策をとりましょう。

 

1.親とコミュニケーションをとり孤立させない
2.支援しながら自立した生活を送らせる
3.親と一緒にゴミ屋敷を片付ける
4.ごみ出し支援制度を利用する
5.ヘルパーに掃除の手伝いを頼む

親とコミュニケーションをとり孤立させない

親が独居中の場合は、適切なコミュニケーションをとって孤立させないようにしましょう。
社会的な孤立により認知症の症状が悪化し、自宅をゴミ屋敷にする確率が高まるためです。

 

高齢になり人と話をする機会が減ると、認知症の進行スピードも早まります。
筆者の祖母は90歳までは畑仕事をするほど元気でしたが、難聴が進み人との会話が難しくなった頃に認知症を発症しました。
近所に住む人が声をかけても耳が聞こえないことから会話を拒むようになり、そこから1ヶ月程度でゴミを捨てたり、身の回りを片付けることができなくなりました。

 

このように人との交流が減ると認知症が一気に進行します。
親が近くに住んでいる場合は定期的に様子を見に行き、掃除や片付けを一緒にするなどしてサポートしましょう。

 

親が遠方に住んでいる場合は、テレビ電話などで会話をして、親に家族とのつながりを感じてもらう方法がおすすめです。
加えて、ご近所の人にお願いして、親に1日1回程度の声かけをしてもらえたりすると、社会的な孤立によるゴミ屋敷症候群の発症や悪化を防げます。

支援しながら自立した生活を送らせる

親が認知症になったからといって、親が自分自身でできることまで取り上げてはいけません。
「怪我するかも」「上手くできないから」と周りの人がなんでもやってあげていると、高齢者自身ができることまで忘れてしまいます。

 

筆者の祖母は認知症を発症してはいましたが、最低限の朝食の用意や布団を敷くなどの行動は自分でできていました。
しかし、別の親戚が1ヶ月ほど滞在して祖母がしていた食事の用意や布団の上げ下げまでやってあげた結果、親戚が帰ることには1ヶ月前にできていたことが全くできなくなってしまいました。

 

認知症の親の家をゴミ屋敷にさせないためには、自発的な行動をとらせるのが大切です。
ゴミ分別カレンダーを朝確認させ「今日ゴミ捨ての日だよ、捨ててきて」「ゴミ箱のゴミを袋にまとめて」などと声をかけて、なるべく高齢者が自分で身の回りの世話ができる状態をキープしましょう。
高齢者がゴミ捨てや最低限の掃除ができる状態を維持できれば、実家のゴミ屋敷化は防げます。

親と一緒にゴミ屋敷を片付ける

実家が不用品で溢れているからと勝手に掃除や片付けをしてしまい、親が怒り出すようなケースもあります。
認知症を発症した親は以前できていた片付けができなくなったことで、自信を喪失しています。
自信喪失から感情の不安定さが生まれ、勝手に家のものを捨てた家族に対して激昂してしまうのです。

 

親の感情を傷つけないようゴミ屋敷を掃除するには、親に声をかけて一緒に片付けるのがおすすめです。
「お母さん、一緒に家を片付けない?手伝うよ」と声をかけ、分別やちょっとした掃除を手伝ってもらいましょう。
サポートしながら片付けを成功させることで、親に成功体験を植え付けて自信を回復させられます。

また、一度忘れても一緒に片付けることで親が片付けの方法を思い出し、最低限のゴミ捨て程度ならできるようになる可能性もあります。

ごみ出し支援制度を利用する

高齢者がゴミ出しをするのが難しいという場合は、自治体のゴミ出し支援制度を利用しましょう。
自治体によって呼び名は変わり「ふれあい収集」と呼ばれている場合もあります。

ゴミ捨て場まで行くのが困難な高齢者のために、玄関先までゴミを収集しに行ってくれるサービスです。
さらに、ゴミが収集日に玄関前に出されていない場合は安否確認をし、安否の確認がとれない際は緊急連絡先に電話をしてくれます。

 

例として、千葉県市川市で実施している「高齢者等世帯ごみ出し支援」を紹介します。
千葉県市川市では自治体に居住している高齢者や自身でのゴミ出しが困難な障がい者を対象とし、玄関前などでのゴミ収集を実施しています。

 

お住まいの自治体でゴミ出し支援サービスがあるかどうかは「自治体名+ゴミ出し支援サービス」で検索すれば自治体で支援を実施しているか調べられます。

ヘルパーに掃除の手伝いを頼む

地域によりますが、ヘルパーに掃除の手伝いを依頼する制度がある自治体もあります。
支援度・介護度の等級によりますが、福祉の範囲で高齢者が主に居住する場所を指定して、片付けや掃除をしてもらえます。
ヘルパーは高齢者支援についての知識が豊富なので、つまずきそうな場所のゴミやものを取り除いてくれたり、衛生的な生活を保てるように支援してくれます。

 

筆者の高齢の祖母もヘルパーによる掃除サービスを利用していました。
祖母が寝起きしている寝室とリビングのみなど、掃除の箇所は限られますが、片付けやゴミをまとめるなどの掃除をしてもらえて、非常に助かった経験があります。

 

実家が遠く、家族での支援が難しい方は、ヘルパーに掃除の手伝いを頼めるか問い合わせてみると良いでしょう。

認知症の親とゴミ屋敷についての相談窓口

 

独居の親が認知症になってしまい、自宅がゴミ屋敷になったとお悩みの方は、誰にどう相談して良いかわからずお困りだと思います。
家族の支援は不可欠ですが、認知症を発症した親の介護やケアを家族のみで完璧には実施できません。

紹介する窓口を利用して、認知症の親のケアやゴミ屋敷への対応を相談してみましょう。

 

1.かかりつけ医などの医療機関
2.自治体の地域包括支援センター
3.社会福祉協議会

かかりつけ医などの医療機関

親が住む家がゴミ屋敷になりかけている、ゴミ出しができなくなっているなど異変に気づいたら、一人で悩まずに医療機関を受診しましょう。
認知症は初期であれば投薬で進行を抑えるような治療も可能です。

 

「認知症かもしれないけどどうなのかな」と様子を見ていると、家族も本人も辛い思いをします。
認知症外来などの専門的な医療機関、またはかかりつけ医でも認知症の検査などをしてもらえる場合があるため、まずはかかりつけ医に相談すると良いでしょう。

 

認知能力に問題があると診断されれば、福祉の支援を受けるのに必要な診断書を書いてもらえて、適切なケアができます。
「親が認知症になったかも」という状況は、家族にとっても非常にショックな出来事ですが、医療機関の診断が出ることでかえってすっきりした気持ちになることもあります。
親の今後のケアのことも考えて、まず医療機関で認知症の検査を受けましょう。

自治体の地域包括支援センター

高齢者の自宅に親族が頻繁に通えない状況であれば、自治体の地域包括支援センターへ連絡してみましょう。
地域包括支援センターは、高齢者に対しての支援やケアについての総合窓口です。

 

たとえば、ヘルパーを派遣したり、ゴミ出し支援制度の案内などを受けられます。
また、地域包括支援センターが自治体と連携してゴミ屋敷の片付けをした事例もあります。
さらに、地域包括支援センターでは、万が一親が自立した生活を維持できなくなった場合の施設についての相談も可能です。

 

認知症の親が一人暮らしをせざるを得ない状況の場合は、福祉の支援が不可欠となります。
お住まいの自治体にある地域包括支援センターは、地域包括ケアシステム|厚生労働省から検索できるので、活用してください。

社会福祉協議会

民間団体である「社会福祉協議会」でも、高齢者の認知症やゴミ屋敷についての相談に乗ってもらえます。
高齢でゴミ捨て場に行くことが難しい方向けのゴミ出し支援、ゴミ屋敷化を防ぐために高齢者の自宅を見回りしてくれるなど、ボランティアが高齢者の自立的な生活をサポートします。

 

また、ゴミ屋敷の状態が悪化して健康面での不安がある場合などは、ゴミ屋敷の片付けも可能です。
実際にゴミ屋敷の片付けボランティアを募り、部屋を片付けた事例があります。
【参考】「ゴミ屋敷」を考える【南区】

 

上記の事例では、福岡社会福祉協議会が医療機関や民生委員会と連携し、ボランティアを募って生活困難者のゴミ屋敷を片付けています。

 

親が認知症になってしまうと、親のケアだけでも大変です。
そのうえゴミ屋敷を自分たちでなんとかしようとすると、ご家族が精神的に辛くなってしまいます。
紹介したような窓口へ相談して福祉的な支援を受け、ご家族も高齢の親も安心して暮らせる環境を作ることが大切です。

認知症の親が住むゴミ屋敷を片付ける方法

 

認知症を発症した親が住むゴミ屋敷を片付ける方法は大きく3つあります。
ゴミ屋敷を放置すると親の健康面はもちろん、近隣へも迷惑をかけるため、早く片付けが必要です。

この3つの中から最適な方法を探し、認知症の親が安心して暮らせる環境を取り戻しましょう。

 

1.親戚と協力して片付ける
2.福祉の支援を利用する
3.ゴミ屋敷の専門業者に依頼する

親戚と協力して片付ける

ゴミの物量によっては、自力での片付けが可能です。
物量が多い場合は親戚の協力を仰ぐなどして、一緒に片付けをしてもらいましょう。

 

ただし、認知症といっても親は自分の家だという認識があるため、無理やり片付けを進めてはいけません。
まずは親に「一緒に家を片付けよう」と声をかけて、親に捨てて良いものと悪いものを判別してもらいながら、不用品を処分します。
認知症を発症していると不用品を宝物と思い込み、勝手に捨てると激怒して感情的になるケースもあるためです。

 

どうしても親がゴミ捨てを拒むような場合は、一度保留してください。
その後忘れた頃に「このゴミは捨て良い?」と聞いてみると、すんなり了承してくれる場合があります。

親の確認をとりながらゴミ屋敷を片付けることで、親の感情を傷つけずに部屋を綺麗にできるでしょう。
ただし、ゴミ屋敷の状態によっては自力で完璧に片付けるのは難しいです。

 

その場合は、次の項目で説明する福祉支援やゴミ屋敷の専門業者の手を借りましょう。

福祉の支援を利用する

認知症が進行しており、親の家が完璧なゴミ屋敷になってしまった場合は、福祉的な支援を利用しましょう。
ゴミが部屋中に積み重なり、足が埋まるような状態では、身内だけでの片付けが困難だからです。

 

地域包括センターでは、親の家がゴミ屋敷になってしまった場合の相談ができます。
たとえば、「いわゆる「ごみ屋敷」の対応に関する調査(集計) 令和4年2月21日 地域福祉課とりまとめ|千葉県船橋市」によると、地域包括センターで高齢者が住むゴミ屋敷の片付けを他の団体と連携して実施した事例があります。
また、千葉県船橋市では公的支援として家屋清掃料の一次的な立て替えも可能です。

 

支援の範囲は自治体によって異なりますが、福祉支援の範囲でゴミの撤去や清掃料の支援を受けられる可能性があります。
片付け費用自体は家族が負担する必要がありますが、片付けの労力を負担してもらえるのは大きいです。

ただし、福祉の支援は様々な団体との連携が必須であるため、解決までに時間がかかったり、地域によっては支援制度がない場合がある点に注意しましょう。

ゴミ屋敷の専門業者に依頼する

認知症の親が住む家が重度のゴミ屋敷になっている場合は、ゴミ屋敷の専門業者に依頼しましょう。
ゴミ屋敷の専門業者とは、ゴミ屋敷の片付けや清掃に慣れたベテランスタッフが訪問し、ゴミの運び出しと処分、家の清掃作業をしてくれるサービスです。

 

ゴミ屋敷の程度が重いと、家族だけでゴミを運び出すのも一苦労で、かなりの時間と労力を要します。
施設の入所が決まり退去手続きが必要など期限が決まっているような場合は特に、間に合わなくなるリスクがあります。

 

また、持ち家であってもゴミ屋敷について近隣から苦情が出ている場合などは、迅速に片付けが必要です。
ゴミ屋敷の専門業者はスピーディにゴミ屋敷を片付けてくれるほか、ゴミの処分や粗大ゴミの廃棄処理も一括で実施するため手間を省けます。

認知症の親が住むゴミ屋敷を片付ける際の注意点

 

認知症の親が住むゴミ屋敷を片付ける際は、以下の3点に注意しましょう。
あなたにとっては不用品でも、親にとっては宝物(に見えている)かもしれません。

親の気持ちを汲みつつ滞りなく作業を進めるために大切なポイントなので、ぜひ目を通しておいてください。

 

1.親の許可なしに勝手に物を捨てない
2.認知症になった親の気持ちに寄り添う
3.業者を呼ぶ場合は事前にしっかり説明しておく

親の許可なしに勝手に物を捨てない

最も大切なポイントは、親の許可なく勝手に家にある物を捨てないことです。
認知症を発症している高齢者は、明らかなゴミを宝物や大切なものと認識している場合があります。

 

また、認知症の初期は正常な頃の自分と認知能力が低下した自分を行き来している状態です。
高齢者自体も記憶が数時間飛んでいたり、頭に靄がかかったような状態が続き、不安を感じています。
そんな状態のときに家族が勝手に家のものを捨て始めたら、不安もあり感情的になってしまうでしょう。

 

「仮に怒っても認知症患者はそのことを忘れる」と思っている人がいますが、怒りや悲しみ、不安などの感情は残るといわれています。
(【参考】認知症の人にやってはいけないこと – 足立心のクリニック梅島

 

認知症を発症している本人の意思や気持ちを尊重し、あくまで許可をとってから片付けを進めるようにしてください。

認知症になった親の気持ちに寄り添う

親が片付けをせず家をゴミ屋敷にしてしまったことに対し、怒りの感情が湧くのは理解できます。
「しっかりしてよ!」と怒鳴りつけたくなることもあるでしょう。

 

しかし、認知症になった親の気持ちに寄り添って怒りをぐっと鎮めてください。
認知症になった本人も、家をゴミ屋敷にしたくてしたわけではありません。
本人は「どうして家がこんなに散らかってるんだろう」「ゴミ捨てが必要なことはわかるけど、そのやり方がわからない」など、困惑している状態です。
そのような状態で家族から叱られると、認知症を発症した高齢者は萎縮してしまい、さらに症状が進行してできないことが増えてしまいます。

 

筆者の祖母も自宅をゴミ屋敷にしてしまい、そのことを親族に責められてから落ち込むようになり、好きだった裁縫の手順を忘れていきました。
一概に叱ったことが原因とはいえませんが、一因になったのではないかと考えています。

 

認知症を発症した本人も訳がわからないまま自宅がゴミ屋敷になっていることは理解してあげてください。

業者を呼ぶ場合は事前にしっかり説明しておく

ゴミ屋敷の片付けを専門業者に依頼する場合は、親に業者が来る旨を家族からしっかり説明しておきましょう。
認知症の高齢者からすれば、知らない人が急に家に来て家財を持ち出したら恐怖でしかありません。
認知症を発症した高齢者は認知能力の低下からパニックを起こしやすいため、家族がしっかり説明してあげるのが予防になります。

 

事前に「今日は片付けを手伝ってくれる人が家に来るからね」と説明しておき、それから業者を家にあげましょう。
親が説明したことを忘れてしまったら、もう一度「さっき話した片付けを手伝ってくれる業者さんだよ」と繰り返しましょう。

 

それでも親が不安がる場合は、まず気持ちを聞いてあげて「あの人たちは、しっかりした業者さんだから大丈夫だよ」と根気強く説明し、納得してもらうようにしてください。

認知症が進行してゴミ屋敷化が止まらない場合は施設入所も検討する

 

認知症が進行してゴミ屋敷の状態がひどくなってしまった場合は、自立した生活が困難になります。
家族で在宅介護できる環境を作れない場合は、施設への入所も検討しましょう。

 

親を施設に入れるなんて可哀想と思うかもしれませんが、ゴミ屋敷に住んでいては衛生面も悪く、予後に不安が生じます。
また家族での介護には限界があり、介護疲れで家族が共倒れしてしまう不安もあります。

 

認知症の親を施設に入れると、一気に症状が悪くなるという人がいますが、これは間違いです。
施設へ入り入所者とコミュニケーションをとったり、レクリエーションで体を動かすうちに、症状が緩和した事例も報告されています。
実際に筆者の祖母も、施設へ入所後は症状が緩和し、前よりも顔色が良くなったようでした。

 

認知症ケアができる施設への入所は費用面が不安かと思いますが、介護度認定を取れば費用負担を軽減できる施設があります。

 

また、施設へ入所する際のゴミ屋敷の退去費用に不安がある方は、分割払いができるゴミ屋敷の専門業者を利用しましょう。
お片付けラボでは最大60回までの分割払いが可能です。

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自社独自ローンのため、クレジットカード枠やクレジットカード自体がなくてもご利用いただけます。

認知症の親が住むゴミ屋敷を片付けた事例

【高齢者一人暮らし】東京都足立区の実家の不用品回収とハウスクリーニング

 

東京都足立区に住むお客様より認知症を発症したことで、家がゴミ屋敷になってしまったというご相談をいただきました。
必要のない食べ物やストック品を溜め込むようになり、捨てようとすると怒るという状態でなかなか片付けができなかったそうです。

 

安全面も考えて施設への入所を決意されたそうで、入所に伴う片付けを弊社へご依頼いただきました。

 

弊社スタッフがご実家へ伺い、大量の食べ物やストック品、古いお洋服や頂き物などを丁寧に精査しました。
捨てて良いかどうかのご判断はお客様に手伝っていただきながら、1日程度でお部屋の片付けも終了しています。

 

お片付けが終わった後は実家の清掃作業まで実施し、お客様から「本来の実家を取り戻せてよかった」という声をいただきました。

認知症が原因で実家がゴミ屋敷になってしまった方はお片付けラボへご相談ください

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認知症を発症すると正常な判断ができなくなったり、ゴミを捨てるという日常的な動作が難しくなったりします。
高齢の親が独居中の場合、ゴミ屋敷で室内で転倒したり、大量のホコリや不衛生な環境により健康リスクも懸念されます。

 

親の安全を守るためにも、家族や親戚、または福祉の手を借りてゴミ屋敷に対処しましょう。
ただし、ゴミ屋敷の程度がひどい場合は家族での掃除は困難です。
また、自治体によってはゴミ屋敷への十分な対応ができない場合もあります。

 

そんなときは、ゴミ屋敷の専門業者である「お片付けラボ」へご相談ください。
認知症を発症した高齢の方の自宅を片付けた実績も豊富で、1品1品丁寧に精査し、気持ちに寄り添った片付けをいたします。
また、認知症ケアに費用がかかり片付けの費用の捻出が難しいという方のために、60回までの分割払いもご用意しています。

 

認知症になった親のケアとゴミ屋敷の掃除で疲弊する前に、ぜひお片付けラボへご相談ください。

 

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