お片付けラボコラム
ゴミ屋敷に対しての市役所対応は?ゴミ屋敷条例の概要・対処法を紹介
2023年08月30日
「ゴミ屋敷に対して市役所はどう対応してくれる?」
「近隣のゴミ屋敷をどうにかしたい…自分で交渉しても良い?」
ゴミ屋敷に対しての市役所対応は、ゴミ屋敷条例を法的な根拠としています。
この記事では、市役所対応の法的根拠となるゴミ屋敷条例や近くにゴミ屋敷がある場合の対処法、ご自身がゴミ屋敷に住んでいる方へのアドバイスを紹介しています。
最後まで読めばゴミ屋敷に対しての市役所対応について理解でき、適切な対処がわかるでしょう。
目次
市役所対応の法的根拠|ゴミ屋敷条例とは?
ゴミ屋敷に対して市役所が対応できる法的根拠はゴミ屋敷条例です。
まずゴミ屋敷条例とは?という方のために、3つの自治体が制定した条例を紹介。
1.京都市のゴミ屋敷条例
2.東京都品川区のゴミ屋敷条例
3.愛知県豊橋市のゴミ屋敷条例
ゴミ屋敷条例とはゴミ屋敷に対しての対応指針をまとめた条例で、健全な住民の生活を守るための条例です。
そもそもゴミ屋敷条例とは何か、実際の自治体ごとの条例を交えて解説します。
京都市のゴミ屋敷条例
京都市のゴミ屋敷条例は「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例」です。
明確にゴミ屋敷という文言は使用されていませんが、不良で不健全な生活をする人への対処が21条にわたって盛り込まれています。
福祉との連携による見守りや近隣住民との連携、また行政代執行についても明確に記載された条例です。
そのため、京都市でゴミ屋敷を見つけたら市役所に依頼してゴミの撤去を依頼できる可能性があります。
東京都品川区のゴミ屋敷条例
東京都品川区のゴミ屋敷条例は「品川区空き家等の適正管理等に関する条例」です。
まず区民への義務として自宅周辺を片付けて、適切にゴミの処理をすることが明記されています。
仮にゴミ屋敷になってしまった場合は、区から指導や注意を行い、万が一従わない場合は強制代執行という選択肢があると記載されています。
また品川区は、住んでいる人がいない空き家のゴミ屋敷についても対応する旨が明記されており、他の自治体と比べると総合的にゴミ屋敷に対しての対処法を区で定めているイメージです。
愛知県豊橋市のゴミ屋敷条例
愛知県豊橋市のゴミ屋敷条例は「豊橋市不良な生活環境の解消に関する条例」です。
豊橋市民は建造物に対して適切な管理をする義務があると定められており、これに違反した場合は助言や指導を行うと明記されています。
強制代執行の判断にはかなりの時間を要しますが、危険が差し迫っていると判断された場合は、強制執行ほどの規模ではなくとも必要な対応が可能です。
対処法については明示されていませんが、市役所職員の訪問や見守りなどを意味すると思われます。
また、市民の健全な生活を維持する目的達成のためには必要な措置を取る旨が記載されており、強制代執行での対応も可能です。
ゴミ屋敷に対しての市役所対応の流れ
ゴミ屋敷に対しての市役所対応の流れは以下のとおりです。
1.ゴミ屋敷についての相談を受ける
2.ゴミ屋敷住人への注意・指導
3.ゴミ屋敷の処分戒告
4.行政代執行で強制的にゴミを撤去
市役所のゴミ屋敷について相談した場合は、上記の流れでゴミ屋敷住民への警告や処分が実施されます。
ゴミ屋敷についての相談を受ける
まず近隣住人などから市役所窓口へ、ゴミ屋敷の対応についての相談が入ります。
市役所ではゴミ屋敷条例に照らし合わせて、適切な対応を検討します。
ゴミ屋敷住人への注意・指導
市役所の職員が次に行うのは、市役所から住人への注意や指導です。
住人に適切なケアが必要かどうかなどを訪問時に見極め、福祉ケアなどを提案する自治体もあります。
注意や指導によってゴミ屋敷住人がゴミを撤去するケースもありますが、中には市役所の指導を拒否する人もいます。
ゴミ屋敷の処分戒告
注意や指導を再三行ったにも関わらず改善が見られず、近隣住民に対して被害があると認められた場合は、ゴミ屋敷の処分戒告が行われます。
戒告とは文書にて指導や注意の内容を通知するもので、この時点では強制執行はできません。
行政代執行で強制的にゴミを撤去
市役所からの戒告をゴミ屋敷住人が無視し、全く状況が改善されなければ、行政代執行によってゴミを撤去します。
ゴミといえど住人の所有物なので、厳重な審査が行われ、近隣住民の利益を害すると認められた場合にのみ令状が作成されます。
行政代執行の令状作成には裁判所への申し立ては不要で、住人が不服を申し立てる場合は裁判所への手続きが必要です。
そのため行政代執行まで段階が進んだ場合は、ゴミ屋敷住人が代執行を指し止めることは難しいでしょう。
最終的に行政代執行によってゴミ屋敷のゴミを撤去した費用は、ゴミ屋敷住人に請求されます。
経済的に困窮しているゴミ屋敷住人に対しては、自治体によって補助金が支給されるケースもあります。
ゴミ屋敷条例を根拠とした市役所対応のデメリット
ゴミ屋敷条例を根拠とした市役所対応にはデメリットもあります。
1.ゴミ屋敷の基準が曖昧
2.条例の罰則が過料のみ
3.居住者がいないゴミ屋敷には対応できない
実際ゴミ屋敷への対応は自治体も頭を悩ませており、明確な基準や代執行の手続きフローが確立していないのが現状です。
市役所にゴミ屋敷への対応を依頼するデメリットについても把握しておきましょう。
ゴミ屋敷の基準が曖昧
ゴミ屋敷条例に記載があるゴミ屋敷の定義は曖昧で、ケースバイケースで判断されます。
そのため、担当者によってはゴミ屋敷ではないと判断されるケースがあるのです。
近隣住民の申し立てと市役所の判断に差が生じた場合、適切な対処をしてもらえない可能性があります。
条例の罰則が過料のみ
ゴミ屋敷条例のデメリットは、罰則が過料のみであることです。
過料とは簡単にいえば罰金で、行政の指導に従って適切な対応をしなかったことに対する罰則です。
ゴミ屋敷住人に対しての罰則は過料のみで、強制的に引っ越してもらうことはできません。
片付け後にゴミ屋敷住人が再度ゴミを溜め込んでトラブルになるケースも想定され、近隣住民からは十分な対応とはいえない場合があります。
居住者がいないゴミ屋敷には対応できない
ゴミ屋敷条例で対応できる対象は、居住者がいるゴミ屋敷のみです。
ゴミ屋敷住人が死亡または夜逃げし、ゴミのみが放置されているケースでは適応されません。
その場合は自治体や物件所有者が私費で片付けする必要があります。
ゴミ屋敷が近くにできた時の対処法
万が一自宅の近くにゴミ屋敷ができた場合の対処法を3つ紹介します。
1.市役所や自治体に相談する
2.実害が出ている場合は弁護士へ相談する
3.直接の話し合いは避けた方が良い
ゴミ屋敷を放置すると自宅にも害虫や害獣、悪臭の被害がある可能性もあります。
またゴミ屋敷住人自体が室内で事故や病気によって死亡するリスクもあるため、放置せず適切に対処しましょう。
市役所や自治体に相談する
ゴミ屋敷が近所にできてしまった場合は、市役所や自治体に相談しましょう。
明らかにゴミであっても、他人の住居敷地内にあるものを勝手に処分するのは法律違反です。
仮に自治体住民が迷惑を被っているとしても、勝手に人の所有物を処分した場合は処分した側が加害者となってしまいます。
そのため、住民同士の個人的な解決策は適切ではなく、市役所や自治体に相談してゴミ屋敷条例に基づいた対処をしてもらうようにしてください。
市役所や自治体のゴミ屋敷への対応は時間がかかり焦ったく感じる場合もあると思いますが、まずは役所の窓口へ相談することを徹底しましょう。
実害が出ている場合は弁護士へ相談する
ゴミ屋敷住人によって実害が出ている場合は、弁護士へ相談した方が早い可能性もあります。
ただし、実害の見極めが難しいため、まずは弁護士へ無料相談に行ってみるのもおすすめです。
例えばゴミ屋敷住人が溜め込んだゴミが敷地を超えて、自宅に侵入してきているような場合は実害と認められます。
またはゴミ屋敷住人が出す騒音による被害、嫌がらせなども被害として訴えることが可能です。
賃貸物件のオーナーの場合は、賃貸物件を著しく損壊されている実害を弁護士へ相談できるでしょう。
以上の例のように、ゴミ屋敷または住人による被害が金銭的・精神的な損害として存在する場合は、弁護士に相談する方法もあります。
直接の話し合いは避けた方が良い
ゴミ屋敷への対応で絶対に避けた方が良いのが、直接の話し合いです。
ゴミ屋敷住人は何かしらの精神的な疾患や病気を抱えているケースが非常に多く、話し合いに応じない可能性があります。
話し合いを拒否されるだけならまだしも、逆恨みされて嫌がらせしたり、危害を加えられるリスクがあるでしょう。
ゴミ屋敷住人にはゴミ屋敷になっている病的な原因がある場合が多いため、自治体や弁護士などの第三者を通しての話し合いにとどめてください。
ゴミ屋敷住民がかかっていることが多い病気については、以下の記事で紹介しています。
ゴミ屋敷の原因とされる統合失調症とはどんな病気?片付けられない理由と解決方法をご紹介
【自宅がゴミ屋敷の場合】お金がない人がゴミ屋敷をスッキリ片付ける3つの方法
自宅がゴミ屋敷になってしまったが、お金がなくてどう片付けて良いかわからない方向けに、3つの方法を解説します。
1.後払いや分割払いが可能なゴミ屋敷片付け業者に依頼する
2.人の手を借りてゴミ屋敷のゴミを処分する
3.市役所に対応依頼して支援を受ける
自宅がゴミ屋敷になってしまったが、自分での片付けが困難な方はこの3つの対処法でゴミ屋敷を片付けましょう。
後払いや分割払いが可能なゴミ屋敷片付け業者に依頼する
ゴミ屋敷清掃業者の中には、頭金0の分割払いや後払いに応じてくれる業者があります。
ゴミ屋敷住人の方は経済的に困窮しており、業者依頼ができないケースもありますが、後払いや分割を利用すれば今お金がなくても片付けは可能です。
そのままゴミ屋敷を放置すると、病気にかかったり近隣住民からの相談で行政代執行を受けるリスクがあります。
また賃貸物件にお住まいの場合は、賃貸人が弁護士に相談して裁判所から退去命令が出れば家に住み続けられません。
損害賠償を請求されるリスクもあるため、早急にゴミ屋敷片付け業者に依頼しましょう。
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人の手を借りてゴミ屋敷のゴミを処分する
誰か頼れる家族や友達がいるなら、「助けて」と言ってゴミ屋敷の掃除を手伝ってもらいましょう。
状態によっては素人だけでゴミ処分ができないリスクもありますが、自分一人ではゴミ処分だけでかなりの時間が必要です。
ゴミを分別する作業は自分で行い、出したゴミを車で処理場へ持っていくのを友達に頼むなどすれば、早くゴミが片付きます。
頼れる人がいる場合は、ゴミ屋敷を人に頼んで片付けましょう。
市役所に対応依頼して支援を受ける
ゴミ屋敷の片付けができずに困っているなら、市役所に相談してみて支援を受けることもできます。
自治体では片付け業者の紹介、また担当者が必要と判断すれば福祉的な支援を受けられます。
頼れる身内や友達がいないなら、福祉や介護の支援を借りて部屋の状態を改善しましょう。
ゴミ屋敷を最速で片付けたいならお片付けラボへご相談ください
ゴミ屋敷が近所にある場合は自分で対処せずに、市役所に相談して対応を依頼してください。
市役所からの注意や警告で、ゴミ屋敷住人が自主的にゴミを片付ける可能性もあります。
ただし、行政代執行の決定にはかなり時間がかかるため、差し迫った被害がある場合は弁護士への相談の方が対処が早いかもしれません。
またご自分の家がゴミ屋敷になって困っている方は、近隣からの苦情で行政による代執行が行われる前にご自分でゴミ屋敷片付け業者を依頼するのがおすすめです。
専門的な知識でゴミ屋敷を早急に片付け、ゴミの処分まで全て依頼できます。
ゴミ屋敷の片付け実績紹介
埼玉県所沢市のご依頼者様は、シングルマザーで頼れる人もいない状態で、弊社にご依頼をいただきました。
頑張って子育てをしていましたが、数年前に病気によって体力が落ちてしまってからゴミ屋敷になってしまったそうです。
お子様が学生とのことで、早急に住環境を良くしたいと弊社が分割払いが可能であることが決めてとなりご依頼いただきました。
弊社スタッフがお部屋を伺い3人がかりで片付けを実施、清掃と消臭作業を行った結果見違えるように部屋が綺麗に。
作業後は「テキパキ作業していただきありがとうございました」と喜びのお声をいただきました。
弊社お片付けラボでは頭金0円での分割払いや後払いにも対応しています。
今まとまったお金がない状態でも、ゴミ屋敷の清掃依頼が可能です。